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Spa Lady Windy

Facebookが世界の観光旅行業を変える

Facebookが世界の観光旅行業を変える
ベテラン旅行作家による近距離観察
2011-10-16  筆者:Spa Lady Windy・楊麗芳 (翻訳協力:田中 あき)
 
Facebookやってますか?」
この言葉が、観光旅行業界で挨拶代わりに使われ始めています。今年4月に北京で行なわれた太平洋アジア観光協会(PATA)設立60周年式典では、CNNを含む180もの国際メディアをはじめ、7つの国の観光部長と400の観光機関など、66の国と地域から約1,000名の会員が参加しました。そしてそのほとんどが、個人もしくは会社の代表としてFacebookアカウントを有しており、PATA会期中ではあちこちでこんな呼びかけを耳にしました。
「どうも!Facobookで拝見しております!」
「記念写真をfacebookに載せたいのですが良いですか?」
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Facebookユーザーはいまや8億人以上
3つ目の「大国」となった
Facebookユーザーは、全世界で既に8億人を超え、アメリカの総人口(3億人)を遥かに追い越し、中国(14億人)、インド(12億人)に次ぐ世界第三の大国として、Facebook大国の名を欲しいままにしています。残念ながら中国はFacebookへのアクセスを制限している数少ない国家の1つで、その他パキスタン、シリア、イラン、ベトナムの各国でもFacebookにアクセスすることができません。
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Facebookは、観光業界においても重要なソーシャルネットワーキングプラットフォームとなっています。Facebookの統計によると、約8億のうち半数が積極的に活用しているユーザーで、1人あたりの友達は平均130人、3.5億人が携帯電話または携帯端末からアクセスしており、iPhoneAndroid、ブラックベリー、HP WebOSWindows Phone7など、どんな機種でもFacebookアプリを使用することができます。チェックインという機能を使えば、現在地付近の主要スポット一覧が表示されます。これらは既に他のユーザーがチェックインしたことのあるスポットであり、任意のスポットをクリックし、今いる場所や一緒にいる友達、近況などを簡単にアップデートすることができます。知名度アップのために、割引や粗品をサービスすることでFacebookユーザーにチェックインを促すショップもあります。Facebookを通じた交流やビジネス、サービスの向上などが行なわれるようになってきており、将来的には求職情報や趣味を同じくするユーザー同士でツアーを企画することも可能となってくることでしょう。
 
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また、筆者が日本のイベントに参加したときのこと。後ろから「よう!Facebookの達人!」と、なんと普段ならなかなか挨拶もできない旅行会社の大老からお声をかけていただき、嬉しいやら吃驚するやら。その後はもちろん記念撮影、そしてすぐFacebookにアップしてお互いにタグを付け合いました。アップされた写真にコメントを残したり「いいね!」をクリックしたり、そうしているうちにいつしか数十年来の友人のような親しみが湧いてくるこれこそ正にFacebookの驚くべき魅力と言えるでしょう。Facebookの統計によると、1日平均約25千万枚の写真がアップされているのだとか。驚きの多さですね!
 
アメリカ合衆国大統領オバマ氏もFacebookページを有しており、ファンは2千万人を超えています。レディー・ガガのファンは4千万人、台湾の馬英九総統のファンは100万人を超えており、建国100年に合わせてFacebookにニューフェイスをアップしました。
台湾国内の旅行業者達は、当初Facebookがこれほどの影響力を持つとは誰も考えておらず、保守的な傍観者を決め込んでいましたが、雄獅旅遊のファンページには、いまや1万人を超えるファン登録があり、老舗の理想旅運と金龍永盛にはそれぞれ2千人ほどのファンがいます。
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アメリカ、モンタナ州の観光局には5千人のファンが、そして台湾の交通部観光局でも「台灣觀光粉絲團(台湾観光ファングループ)」というFacebookページを立ち上げ、抽選イベントも都度行なわれております。201051に設立し、現在では2万人を超えるファンが登録されています。ファングループの中にはプロの編集者もいて、投稿文も凝っており反応も良好です。台湾建国100年を祝った「旅行台湾・感動100」というFacebookページも作られており、現在では3万人近いファンがいます。旅行会社、航空会社、ホテル、レンタカー会社なども後に続けとばかりにFacebookページを立ち上げはじめ、Facebook上で各種団体旅行やイベント優待情報を発信するようになりました。オンラインでいつでも確実にやり取りができるので、非常に効果の良いFREE SALESの場となっています。
 
震災後の日本
Facebook登録者は2.5倍に
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経済大国、ハイテク大国である日本のソーシャルネットワークサイトへの反応は、台湾や韓国ほど熱心ではないようです。台湾のFacebookユーザーは1千万人を突破していますが、日本では2011年初頭においてはたった180万人程度の登録しかありませんでした。しかし、それからの半年で明らかな変化がみられるようになります。特に311東日本大震災では、電話回線(携帯電話含む)の使用が困難となり、頼みの綱はインターネットのみという状況に陥ってしまいました。観光業者、特にホテル・旅館業者は外界と連絡を取る手段としてFacebookを利用し始め、若旦那はもちろん、女将、大旦那に至るまで自らFacebookアカウントを作りました。日頃はお会いすることはもちろん挨拶すらかなわないような温泉郷の大老、例えば有馬温泉「御所坊」の金井啓修社長、そして湯村温泉でもっともエレガントな「朝野家」朝野社長のご両人など、筆者のFacebookを訪問してくださり、コメント欄で互いにボケたりつっこんだり、お二方のやり取りを毎日楽しく拝見させていただいております。

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交流だけでなく、Facebookからは全世界の励ましや支援、物質的な救助活動がわき起こり、日本人は世界中からの関心を受け取ることになりました。情報収集に長けている日本人は、「Facebook経営の達人」からFacebook上でレクチャーを受け、若干遅まきながらも猛烈なスパートでFacebookを学び始めました。Facebook上で公開されている自己紹介や個人情報は、ときに非常に詳細で、称賛させられるものも多々あります。私の友人は皆すっかりFacebookの達人となり、友達は1,000人以上、5,000人を突破してしまい「part.2」を開設するほどの大人物もいます。日本旅行界では「Facebook勉強会」が盛んで、専門家を呼んでその機能を学んでいます。まさにFacebook革命とも呼べる現象で、皆こぞってFacebookにアクセスし、持ち前の礼儀正しさで、朝は「おはようございます!」の挨拶から始まり、1日の終わりには「いいね!」をクリックしてくれた全ての人に感謝のコメントを残し、PCの電源を落とす前には必ず「おやすみなさい」と挨拶をします。「Facebook公務員」とも呼ぶべき規則正しさですね!日本のFacebookユーザーは現在、当初の二周り以上の成長をとげ、5百万人以上となっています。
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全世界に8億のユーザーを有するFacebookは、アメリカTIME紙によって中国、インドに次ぐ第三大国となったと評されました。Facebookはいまや飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けており、Facebookセールス部門は、2015年には10億人を超えインドの総人口を追い越し、2017年には中国すらも超え、世界最大の大国となると予測しています。Facebookは本当の意味での国家ではないものの、全世界共通の超巨大なソーシャルネットワークサイトとして、ニュース、リンク、ノート、ウォール、写真など、毎月30億件もの投稿が公開されているのです。
 
Twitterよりも高い

Facebookの伝達効果

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Facebookユーザーの約75%はアメリカ以外の地域の住民で、中国語で記事を書いた10秒後にはアフリカやヨーロッパから「いいね!」やコメントが返って来たりします。なぜならネット上にはたくさんの無料翻訳サービスが公開されており、単語と文法に若干の間違いがあったとしても、あなたの友達に正しい意味を推測させることが可能だからです。Facebookでは約75種類もの言語が使用されています。Facebookへのアップデート内容の寿命は約1日だと言われており、Twitterではそれがたった1時間であることと比べると、Facebookの伝達効果の高さが伺い知れます。
 
個人を中心とした「真実」のプラットフォームを提供していることが、Facebookの最大の魅力かつ威力と言えるでしょう。そして、スマートフォンが私たちの生活に与えた変化と衝撃の大きさを考えてみてください。写真を撮ってアップロード、それを世界中の友達とシェアすることが、たった10秒のうちにできてしまうのです。い
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つでもどこでも「シェア」する時代へと進んでいます。
 
現在では航空チケットやホテルの予約にネットを利用するのが当たり前になりましたが、Facebookのファングループを利用してツアースケジュールを組むということも、今後はますます普遍的になることでしょう。実際にそういう動きがすでにでてきています。参加者は皆ファン繋がりですから、優待だって多いに期待できるはず
 
Facebookは私たち観光旅行業界に多層的な変化をもたらしました。Facebookの中には地球村がそっくり入っているのです!
 
Facebookやってますか?」
 
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