台湾の鬼月 Taiwan Ghost Month

台湾の鬼月 (クィユェ）

鬼月 (クィユェ）は台湾では旧暦の7月のこと。

旧暦7月、2012年8月18日から9月15日まで、台湾の『鬼月』 

台湾や香港などのいわゆる「中華文化圏」では、旧暦の7月はあの世から先祖などの霊（鬼子「クィツ」）がこの世に舞い戻ってきて、巷を徘徊する月とされており、7月のことを特に「鬼月」と呼ばれています。「鬼月」のクライマックスは「中元節」、旧暦7月15日であり、この日を特に「盂蘭盆」（日本のお盆にあたる）、この時期中華文化圏では巷にあふれている「鬼子」を刺激しないようにと、大昔、婚礼や旅行などの非日常的な行事一般を控える人が多かった..．このため、この時期には台湾や香港などから日本を訪れる人もぐっと少なくなり、台湾や香港の観光客が数多く訪れるテーマパークなどでは、他の時期に比べて来場者が大幅に減少するなどの影響が出ることもある。（今の時代...やや変わっています...）

台湾では「鬼」という言葉を避けるため「好兄弟（ハォションティ）」と呼んでいます。「鬼月」は祖先がこの世に戻ってくる為、祖先にごちそうを用意して迎えます。祖先だけがこの世に戻ってくるのなら構わないのですが、「鬼月」は地獄の全ての門が開きますので、悪い霊もご先祖様と一緒にこの世に戻って来るのです。台湾の霊界のシステムとして、身代わりの生け贄（生きた人間）を見つければ、自分は人間に生まれ変わる事ができます。そこで悪い霊達は自分が生まれ変わる為に、人間を霊界に連れ込もうと、いろいろと悪さをするのです。ですから、昔....鬼月の間は「水の中に入ってはいけない」「夜、洗濯物を外に干していてはいけない」と言われています...

「祖先の霊が帰ってくる」という点は日本のお盆に共通しますが、「悪い霊達がいろいろ悪さをする」という点は日本のお盆にはないかな…　「夏に怪談」は日本の常識で「怖い話をすると寒気で涼しくなるから」とまことしやかに説明されますが、原型はこの鬼月から来たのかも知れません…