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台湾の観光客 日本の温泉郷で不慮の死

(Spa Lady溫泉News)

台湾の観光客 日本の温泉郷で不慮の死

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台湾ではここ数日、テレビやニュースで台湾の観光客が日本の温泉郷で死亡したことが報道されています。桜が満開のこの時期は、台湾の旅行客が日本へお花見に行くピークです。また、台湾人は日本の温泉に行くこともとても好きです。丁度このお花見ピークの4月初旬に不幸なニュースが届きました。日本の温泉で台湾の旅行客が、不幸にも2件連続で突然の死を遂げたというのです。亡くなった2名の旅行客は共に70歳以上の男性でした。

不慮の死を遂げた高齢のお二人は、陳さんと洪さんで、団体ツアーで日本へ旅行に行き、静岡県伊東温泉の旅館に別々に投宿しました。78歳の陳さんが男湯に入って間もなく、突然意識不明の状態に陥り、救急車で病院に運ばれた後、死亡しました。79歳の洪さんは、家族が温泉から上がって部屋に戻った後、部屋に残って室内の温泉に入っていた洪さんが浴槽内で倒れているのを発見し、その時すでに息の根はありませんでした。

この2例の突然の事故は、共に心臓病と関係が有り、一般の台湾観光客が温泉旅館に着いた時、うれしさのあまり、自分が心臓病を患っていることを忘れて急いで温泉に入り、高温の温泉の中に素早く全身まで浸かり、心臓がその負担に耐え切れず、死亡してしまったというのが原因のようです。この他、高齢者が旅行に行く際には家族が絶えず付き添い、高齢者を1人にしないことが大切です。不意の事故を防ぐには、充分な救急体制を整えることが必要なのです。これらの不幸な事故が不景気のこの時期の台日観光交流に悪影響を与えるのではないかと心配されます。

そこで、日本の旅行業関係者の方にお願いすることは、先ず、ホテルの従業員や添乗員からお客様に対して、温泉に入る際の注意事項を詳しく説明してもらうようにすることです。Spa Ladyは30年間日本の温泉を研究し、これまでずっと積極的に温泉に入るときの知識とマナーを推奨してきました。日本の温泉旅行業者の方々も、台湾温泉客のマナーがここ十数年で良くなったことを感じていらっしゃることと思います。今回のこのような例は頻繁に起こることではなく、温泉業界関係者自体が間違ったことをしている訳ではありませんが、もっと積極的に旅館内の温泉に対する安全性を高める必要があり、また、注意事項の告知を厳守して、不幸な事故や災難を防ぐ必要があります。

温泉業界関係者とお客様に下記の注意事項を提案しますので、参考にして頂きたいと思います。

温泉入浴に関する基礎知識

1.旅館に着いた後は、温泉の成分が強いため、約1時間程休憩してから入浴し、温泉に入ることを運動することと同じように考えることが必要です。長時間車に乗って疲れている時は、それ以上疲れることを防ぐために、すぐ温泉に入ることは止めましょう。空腹時は虚脱感や眩暈、吐き気等の症状を感じ易いので、食後しばらくの間は入浴を控えましょう。睡眠不足や徹夜で頭と身体が疲れている時など、高温の温泉に浸かりすぎることは、脳貧血や立ちくらみを引き起こし危険です。

2.飲酒後すぐに入浴しないこと。温泉浴により血液の循環が加速するので、脳貧血に注意してください。激しい運動、例えば球技やセックスをした後は、眩暈を防ぐため、すぐに高温の温泉に入らないこと。

3.温泉に入る時、先ず温泉水で「掛け湯」をし、心臓から遠い足から始めて徐々に上に上げていき、最後に温泉水を頭に掛けます。特に、冬の入浴時、高温の温泉に入るには、頭から足まで、全身への掛け湯は重要で、脳貧血を防ぐことができます。

4.続いて、ゆっくりと浴槽に入り、先ずおへその高さまで浸かります。俗に言う「半身浴」で約3-5分間浸かって全身が温まってからゆっくりと肩まで浸かります「全身浴」。ゆっくりとした入浴方法は、脳に血が溜まることを防ぐことができます。

5.温泉に入浴する時間は、温泉の温度によって決めます。もし、汗だくになったり鼓動が加速した場合は、湯船から出て、5,6分休んだ後、再び温泉に浸かります。他の人の迷惑にならない範囲で、湯船の中を歩き、肘や膝等の関節を動かします。また、複式呼吸で腹筋運動をしたり、目を閉じて首の運動をします。

6.多くの人が温泉旅館に着いた時、元を取ろうとして、何時間、何回も温泉に入ったりしますが、入浴時間を長くしたり、何回も入ることは、肌の水分や脂質を失うことになるので、通常は15分位浸かることを目安にして、何回か入浴するようにします。1日の入浴は3回を超えないようにしましょう。

7.温泉に入浴している時、心臓の鼓動が早くなったり、眩暈がしたら、ゆっくりと起き上がり浴槽を出て、暫く休みましょう。もし、症状が良くならない場合は温泉に浸かるのを止めましょう。

8.高齢者や心臓の弱い人は、座って浸からず、浴槽の淵を枕代わりにして手足を広げ、お湯に浮かぶような方法を取りましょう。息切れや胸部の圧迫感を防ぐことができます。

9.高齢者は絶対に1人で温泉に浸からないようにしてください。深夜に温泉に入る時にも、他の人と一緒に入浴しましょう。

10.浴槽の中では、高温温泉の排出口からできるだけ離れましょう。適温の温泉には長く浸かることができ、効果も上がります。皮膚の健康のためには、温泉の温度は38-42℃が最も適切で、火傷を防ぐため、45℃を超える熱湯には入らないようにしましょう。

11.心身共に安らかにし、温泉浴の化学と物理の刺激で、体内に有益な治療作用を形成することに集中し、温泉に浸かった休養の意義を得ましょう。温泉浴後は、直接乾いたタオルで体を拭き、髪の毛を乾かしましょう。敏感肌以外の人は、温泉浴後、温泉の効果を継続させるため、清水で体を流さないようにしましょう。温泉の成分が流れてしまいます。

12.最も良い温泉治療効果を得るために、新陳代謝が盛んな入浴後の約60分間は横になり、温泉の刺激作用を体内で継続させましょう。


温泉を楽しみ 心身共に健康に

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